ハンドウインチを使って「トールベビー」を伐採~ツタが絡んだ木の怖さを知った。

handwinch

ハンドウインチを使って、カラマツの小径木の伐採に挑みました。
簡単に倒せると思っていましたが、予想外の事態に陥り、
危険な状況を作ってしまいました。

こんばんは、からまつです。

昨日は金曜日。金曜ロードショーで「紅の豚」がやっていました。

当時見た時は、「あれ?もう終わり?・・・もの足りない。」って思ったけど、
改めてちゃんと見たら素敵な作品でびっくりしました。

主人公のポルコが男前で恰好いい。

私も自分に魔法をかけて豚になり、

「豚に税金も確定申告も無ぇよ。」

と言い放ってやりたい衝動に駆られます。

にもかかわらず、数分後、いじっていた財布の中にしわくちゃのレシートを見つけ、
「あらら~これも経費に出来るや~ん♪」とほくそ笑む。

嗚呼、人間的、あまりに人間的な・・・。

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トールベビーをハンドウインチで伐採する

さて、話は前回の

こんばんは!からまつです。 前回のお話はこちらです。 8月以来、2か月半ぶりに私達の土地へと行って来ました。 からまつをはじめ、木々は、色鮮やかに紅葉し、なんとも言えない美しさを湛え...
続きです。

樹高20メートル程度と高いものの直径は20センチちょっとしかない細木
(コードネーム:トールベビー)の伐採を遂行中でした。

いつもの手順で「受け口」「追い口」をいれ、
更にクサビを打ちこんでも動きません。

そこで、ロープを掛けて
ハンドウインチで引っ張る事にしました。

散々すったもんだした挙句、
やっとの事で、ロープを掛ける事に成功。
しかしここで日没を迎え、作業終了。

トールベビーの伐採は、日をまたぐ事となりました。

ウインチをセットする

朝から目いっぱい作業する
はずでしたが、何故か作業開始が午後一に・・・。

気を取り直してセッティングを開始します。

ロープを伐採したい方向に
引っ張って木を倒す(誘導する)のですが、人力ではとても無理です。

そこでハンドウインチを使って木を引倒します。

handwinch

ハンドウインチをセットした様子です。
スリングベルトを木に巻いて片側は固定しています。

もう反対側は滑車を通したロープへと繋ぎます。

img_2100

この様に滑車を使って方向をかえています。
これをやらないでウインチを引けば、当然ながら、
木が自分に(ウインチ方向に)向かって倒れてきてしまい、非常に危険です。

順当に傾くが倒れない

img_2101

こんな感じで、伐採準備完了です。

いよいよ、ハンドウインチをぎこぎこと動かしてみます。

ウインチはそれほど抵抗もなく動き、順調に木が傾いて来ました。
しかし、なかなか倒れてはくれません。

このウインチ、けん引移動可能距離が1.4メートルと非常に短いのが唯一最大の難点で

1.4メートル分目いっぱい引っ張り、確実に伐採予定方向に
木は傾いてくれているのですが、倒れてはくれませんでした。

もう1本ロープを使って、がちゃで固定する

ハンドウインチではこれ以上引っ張れません。
ウインチの固定場所をもうひとつ後ろの木に移動して、再度引っ張ることにしました。

ただ、このままウインチのワイヤーを弛めれば、木は元の位置に戻ってしまい、
ウインチを後方にずらしても、木に繋がったロープまで届かず、セッティングが出来ません。

そこで、今の傾き状態のまま、木を固定するために、もう1本ロープを掛ける事にしました。

img_2124

写真左側の方が滑車を通したハンドウインチに繋がるロープで、
写真右側の方が、木の傾きを固定するために新たにセッティングしたロープです。

ロープを木に掛けた後、反対側は大径木にスリングベルト→がっちゃと接続しています。

がっちゃ(がちゃことも言いますよね。)は正式名称をラッシングベルトといって、
トラックなどの荷縛りで使用するものです。
ラチェット式のものは、ハンドウインチの様な使い方も出来ます。

文字通り、がっちゃの
ハンドルレバーをがちゃがちゃと動かし、こちらのロープからもテンションを掛けました。

これによって、
トールベビーはますます傾きを増しました。

注意する点としては、この2番目のロープを使った「がっちゃウインチ」の方は、
滑車をかましていないので、操作位置が倒木危険エリア内だという事です。

なので、こちらのロープはあくまで木の固定用(補助用)として使い、
メインのハンドウインチでしっかりと倒す・・・
というか、なるべく静かに寝てもらうのがベストです。

と、頭では分かっていたのですが、後程やらかします・・・(反省)

ハンドウインチの再セッティングを完了

がっちゃウインチで固定した後、
一旦ハンドウインチの方はワイヤーをゆるめて、固定する木をひとつ後ろにずらして再セッティングしました。

再びウインチを操作し引っ張ります。

トールベビーは確実に傾きを増しているのですが、
それでもなかなか倒れてはくれません。

img_2110

大分、傾いて来ているのがお分かり頂けますでしょうか。

渾身の力でクサビを打ちこむもそれでも倒れず・・・。

「う~ん。なんかおかしいな、いくらなんでももう倒れてもいいはずだ。」

ふと上を見上げました。

あっ・・・やべえ・・・。

img_2111

トールベビーの末(先端部分)が他のカラマツに掛かってしまっています。

写真では分かりにくいのですが、木の周りをぐるぐるまわりながら、
よく観察すると、枝掛かりではありません。ツタが絡んでいました。

厄介です。いやな汗が出てきました。

ツタは非常にしなやかで強く、ちょっとやそっとでは切れてくれません。

私たちの土地の西側のエリアは
ツタが掛かった木が多く、土地を取得した今年の初めにツタを切っておいたので、もう枯れているはずですが・・・。

こんばんは、からまつです。 先日、ようやく書き終わった土地探しの話、 そして、まとめの記事を前編、中編、後編とお届けしました。 今日からは、いよいよ開拓編をスタートして行こう...
まさかあんな上で絡まっているとは思いませんでした。

上空20メートル付近です。
あそこまで登って除去するのは不可能です。

結局、再セットしたハンドウインチで、引っ張り可能な長さ限界まで巻いても
トールベビーは倒れませんでした。

ここで、冷静になるために少し休憩。

別行動で、新調したチェーンソーの
慣らし運転をしている妻どんぐりの様子を見に行きました。

chainsaw01

はい。新品のチェーンソーが何やら煙を上げてモクモクしていました。
どうやら、こっちはこっちで何か大変な事が起こっている様です。

(こっちの件については、また後程改めて記事にしたいと思います。)

大変なのは、自分だけではない
という事が分かったので、
私は私の持ち場に戻って作業を続けます。

ウインチを再々セットする

トールベビーは少しずつですが、確実に傾きを増して来ています。
更に引っ張る以外に打てる手立ては思いつきませんでした。

がっちゃウインチの方を更に締めて、
木の傾きを固定し、

ウインチをもう一度、
更に奥にセットし直しました。
これより奥にはしばらく木がありません。

ウインチをこれ以上奥にセットするのは不可能です・・・。

祈るような気持ちでレバーを操作します。

すると、「バキ!」っというものすごい音と共にトールベビーが更に傾きました。

頭上を観察すると、3本の細いツタが絡んでいたのですが、
そのうちの1本が外れたようです。更に引くとまた「バキ!

周りが静かなので、
余計に響きます。残るツタは1本です。

トールベビーはいよいよ大きく
弓なりになり、追い口は
クサビの厚さ以上に開き、クサビは地面に落ちてしまっています。

この時点で、ウインチの
巻き取り可能距離はあと70センチほど。

ふと見回すと、今回のウインチ操作で、もう一本のがっちゃを繋いだロープが
大きくたわんでいました。

「がっちゃウインチからも
少しテンションかけてやった方が倒れやすいかもしれない。」

そう思った私は、
がっちゃの方へ移動し、がちゃこのレバーをがちゃがちゃと操作して、ロープを引きました。

「もう1回レバーを上げて引き付けたら、ハンドウインチの方に戻ろう。」
そう思った瞬間でした。

バキバキバキ~

今までとは比べ物に
ならない程の轟音が頭上で響きました。

見上げると、
トールベビーの先端がゆらゆらゆらと不気味に踊っています。

「あっ。こっちにくる。」

真っ直ぐに木が降ってくるような気がしました。

私は一瞬、恐怖で
金縛りにあった様に凍り付き、
動けなくなりました。

「動け!動け!」と
必死で念じ身体を動かしました。

気が付くと、トールベビーは
私の数メートル脇で、先からあった倒木に寄りかかり、動かなくなっていました。

img_2128

矢印の方向に私がいます。

別に誰が見ている訳でもないのですが、私は、出来るだけ平静を装い、
がっちゃとスリングベルトを回収しました。

img_2130

谷を上がって写真を撮りました。
丁度伐倒方向、西の森に太陽は沈んでいくところでした。

トールベビーが乗っかっている倒木たちは、みな、ツタにやられたものです。

長年かけて、この辺りのカラマツに絡みつき、最終的にはみな引き倒してしまった様です。

img_2138

なんとか切り出して、目途が付いた頃には、すっかり日が暮れていました。

本当は、4メートル以上の長さを残して、建材(柱)にしたかったのですが、
ご覧の通り、ぶつ切りにしてしまいました。やはり、かなり気が動転していたようです。

img_2137

実はまだ、末(先端)部分が半分近く残っているのですが、
取り敢えず自分達の敷地内に収まったので、次回までここに置いておきます。

とっても沢山の事が学べた1日でした。

運が良かった。この反省を次からの伐採に活かしていこうと思います。

なお、この日並行して起こったチェーンソーのトラブルについては
こちらの記事で詳しく書きました。

土地の開拓・伐採のためにチェーンソー「ハスクバーナ135e」を購入し、 慣らし運転をする事にしました。ところが、エンジン始動の際に 操作方法を間違えいきなりトラブルとなってしまいました...
こっちはこっちで・・・大変でした。

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