一番最初にロープを取り付ける方法に
ついての記事です。詳細写真付きです。
こんばんは、からまつです。
以前、伐採の道具に
ローププーラーというものを導入したという記事を書きました。
ローププーラーというのは、
木に掛けたロープを引っ張るための、「ハンドウインチ」のような役割を果たす道具です。
けん引できる距離が長い(余っているロープの長さの分だけ引ける)という所です。
そして実際に、
このローププーラーを使用して伐採を行った中で、いくつか使用上の注意というか、感じた事があったので、これから開拓・伐採に挑む方に向けて報告したいと思います。
いや、自分、伐採しないけど・・・
という99パーセントの読者のみなさまにおかれましては、「へぇ~。そういう道具もあるんだね~。・・・この素晴らしきムダ知識・・・。」という感じで、お手持ちの「へぇ~ボタン」をトリビアの泉ばりに連打して頂けると有難いです。
では、行きます。
この記事の内容
ハンドウインチと比較する
まずは、装備比較から。
写真上のものがいわゆる「ハンドウインチ」です。
そして、よく似た形の下のものが「ローププーラー」です。違いはというと、
上のハンドウインチは、
ロープではなく「ワイヤー」が使われています。それゆえにパワーもあります。
写真では分かりませんが、
手に取ってみると、フレーム部分の作りも、がっしりしています。最大荷重は2トンです。対するローププーラーは3/4トン。
「ならば、こっちの方がいいんじゃないの?」
と考えるのが筋というものです。
しかし、このハンドウインチ
けん引できる長さが1.4メートルしかないんです。
そう考えていた時期が、私にもありました。
はい。全然倒れましぇん!
木というものは、想像以上にしなり、粘るのです。
この写真の後も、ガンガン引っ張ってテンションを掛けましたが、なかなか倒れず、最後には、「今コイツを弓に使ったら、落とせない城はない・・・。」という位にしなりました。
この戦いの後、私は、
けん引可能距離が長い、ローププーラー選手をスカウトしてきました。
分かりやすく説明しますと
ハンドウインチ選手は、150キロのストレートを投げられるけど、スタミナゼロ。
対して、ローププーラー選手は
ストレートは130キロそこそこだけど、体力があり、割と計算できるタイプです。
ローププーラー(rope puller)の使い方
まず、届いたローププーラーを
箱から出して、ロープをセッティングしてやらねばなりません。
実際にやってみましょう。
ロープの取り付け方法
ロープのフックがついていない方を、ローププーラーへ取り付けます。
まずは、写真部分のガイドの穴を通します。
そのまま、ラチェットホイール(写真の水車みたいな部分)へ。
その際、写真の丸で囲った部分にバーがあるので、下からくぐらせていきます。
どんどんロープを送り出していきます。
今度は下へ向かって、ホイールに沿わせて進みます。
その際、写真のスプリング部分の内側を通します。
次の作業がやりやすい様に、少し長めにロープを送り出しておきます。
さらに、ホイールに沿って、今度は底部分を通します。
別角度から見ると、こんな感じです。
先端が通過しました。そのままどんどん引っ張っていきます。
ぐいっと。ロープがよれない(ねじれない)ように気をつけて。
たるみを取ってホイールと密着させます。
お疲れ様でした。これでロープの取り付けが、完了です。
丁寧に書かれた説明書が、かえって誤解をまねいている様です。
写真で見て頂いた通り
ロープの取り付けは非常に簡単です。
それを忠実に実行しようとすると、かえって混乱するのです。
説明書では上記写真説明の後半部分
底部分にロープを通す時に
手で押し込むだけだと、若干通りにくいため、レバー操作をして、ラチェットホイール(水車みたいなところ)を回してやりながら、通して行きましょう。という趣旨で書かれています。
たしかに少し狭くて
通しにくいのですが、
レバーでガチャガチャやらなくても手で押すだけで、十分通せるので、その方が早いです。
もちろん、手だけで
入って行き難い場合には、
レバーをがちゃがちゃとやって、ホイールを回しながらロープを進めても大丈夫です。
ホイールが空まわりしてロープが滑る?不良品?いいえ、違います。
説明書通りにハンドルを
操作してロープを取り付けていると、ロープが滑って、空回りするように感じてしまう事があります。
これは、特に問題はありません。
単に、狭い底部分に
ロープを通す際に手だけだと
やりにくいので、レバー操作も併用して、ロープを引き出して下さいというだけです。
ローププーラーの構造
写真のラチェットホイールに
溝が入っていますね。
この部分にロープがはまって、
その摩擦力で、ロープが止まります。
溝にロープが食い込むため
摩擦力が生まれます。ですので、ロープは指定の太さのものしか使えません。
ちなみに付属のロープ
(写真のものです)は径が12.7ミリ
(amazonの商品ページより引用)との事です。
ロープにしっかりと荷重がかかるまでは、レバーを引いても空回りします。
ロープが緊張状態(しっかりとテンションがかかる)になって、ホイールと密着しないうちは、レバーを操作しても空回りします。
ロープがゆるんでいたら(いるうちは)空回りをするという事ですね。
ですので、実際の使用時には、
セッティングしたらまず最初に
写真の部分を手で持ってぐいぐい引いてやります。
すると、レバーを使わなくても
ホイールがまわり、どんどんロープにテンションがかかって来ます。
ある程度しっかり張れたら、
もうレバー操作をしても空回りしたり
ロープが滑ったりする事はありません。
使用時の注意
実際の伐採現場で使用していて
ちょっと戸惑った事があったので、書いておきます。
レバーを操作してロープを引いていると
この様なケースが頻繁に生じました。
ロープがホイールに絡んでしまわない様に注意
リールのような、巻き取り方式でないため、ロープの長さが続く限り、いくらでも引っ張る事が出来る(引ける長さの制限がない)のがこの装置の最大の魅力です。
ところが、強くテンションが
かかりロープが歯車としっかり密着すると、結構な頻度で以下の現象がおこります。
通常は、下へ垂れて行くはずのロープが、歯車と密着しすぎて、くっついたまま上へ。
そのまま気づかずにレバーを引き続けると・・・。
下へ解放されるはずの
ロープが歯車(ホイール)に巻き付き、絡んでしまいました。
ここまで行くと、これ以上レバーが引けなくなります。
私は、この状態を何度か経験しました。
難しい木で、焦っている時ほどこうなりますので、要注意です。
レバー操作1回ごとにロープを引いておいた方がよい
これを防ぐための方法です。
1回レバーを操作するごとに
巻き付き始めたロープを、
ぐっと引いて解放します。
ロープをさわるのも危険ですので
引っ張る作業は一瞬で行います。
常時、レバーの反対の手でロープを持っているのは、万一の事を考えると危ないので、私は、面倒ですが、1回1回手を離してロープを引いています。
かかったテンション(荷重)を弛める方法
一旦かけたテンションを
ゆるめたい場合の操作方法です。
先に書いた、「ロープがホイールに絡んだ状態」になってしまった場合、いったんロープを弛めてやらねばなりません。
写真の部分を下に押すと、ハンドルをギア(ホイール)から解放できます。
その部分を押してホールドしたまま、ハンドルレバーを矢印方向に操作します。
そのまま(1の方向)いっぱいまでレバーを押して、もうこれ以上動かない状態になったら、2の方向(反対)へクイッと戻します。
すると、1歯分だけ弛みます。
この作業をひたすら繰り返してゆるめて行きます。
つまり、一度かけたテンションを
弛めるのは結構大変です。
計画通り伐採できた場合には
この作業をする必要はありませんので
あまり使わないと思いますが、一応知っておいた方がよい操作です。
それから、私はローププーラーや滑車を木に固定する際には、上のスリングベルトを使っています。2m×2本を常備してます。なぜかこれは、ホームセンターで買うと高いです。
こちらもどうぞ。
さて、少々脱線してしまいましたが
以上、ローププーラーの操作方法でした。
ここまでお読みいただいたみなさん、お疲れ様でした。
長い人生。何が起こるかわかりません。時には、ローププーラーを使用して、状況を打開せざるを得ない時もあるでしょう。その際にお役立て頂けたら嬉しいです。
コメント
へーへーへー
3へぇ
あざっすwww!
このブログが内容も緻密で大変参考になりました。
愛読書?になっています。
私も全くの素人でしたが昨年から椎茸の原木作りに「きこり」をしています。
チエンソーのハスクバーナ135eを使用しています。
原木の直径は40cm位のもあり、かかり木の対応は大変でした。
ハンドウィンチもチルホールもこのブログを参考に購入しました。
今年は残り10本程度倒したら来年は玉切り、運搬です。
椎茸が一段落したら鉄筋ハウスの修理に溶接を思案中です。
これも参考にさせていただきます。
伊勢度会さん、コメントどうもありがとうございました。
返信が遅くなってしまい、大変恐縮です。
また、素敵な感想をいただき、とても励みになりました。
直径40センチのかかり木は、かなりタフですね。
想像しただけで緊張してきます(笑)。
私も、今冬にまた、10数本のカラマツの伐採を予定しています。
お互い安全第一で作業を進めて参りましょう。
私の方は、セルフビルド作業、カメの歩みとなっていますが、
完成の日を目指して少しずつ進めて、ブログの方も
更新していきたいと思いますので、
今後もどうぞよろしくお願いします。