こんばんは!からまつです。
さて、昨日のお話は随分中途半端な終わり方をしてしまいました。今日はしっかりと、区切りの良い所まで書けたら良いのですが・・・。
それはもう、私と睡魔との戦いの結果次第です。はい。がんばります。
スラッシュBの伐採と翌日に向けた準備
スラッシュB
では、昨日の話の続きから参りましょう。
私は、スラッシュBの伐採準備に入りました。
この木は、幹が若干太いものの、倒したい方向や、ウインチ(ローププーラー)のセッティングなども、/Aとほぼ同じセットアップで良いので、比較的スムーズに用意が整いました。
/Bもかなり傾きが強く偏芯しています。
受け口を作る前に、スリングベルトをしっかりと巻き付けておきました。
伐採を続けるうちに、この受け口の精度というのが非常に大事だという事が分かってきました。受け口に対し、垂直方向に木は倒れるので、ここをしっかり伐倒方向に対して垂直になるように作れるかどうかで、その伐採が成功するかどうかが、大きく左右されます。
その上で、ロープとウインチを使い方向を限定・誘導してやります。
今回は、なかなか上手に受け口を作る事が出来ました。ここで、ローププーラーのハンドルを何度か引いてテンションをかけておきます。
再び木の元に移動して、今度は追い口を入れていきます。その際、木の傾斜の反対側のツルをやや厚めに残します。
まだもう少し切った方がいいなと感じていた段階で、「パキッ」という、木が裂ける音が走りました。見上げると少しずつ、木が傾いてきているのがわかります。
私は、チェーンソーのエンジンを切ると、あわててウインチの方へ走りだしました。
自分の予想よりもかなり早く、木が倒れ始めたのです。
ロープにしっかりとテンションがかからず、たるんでしまうと、木が本来の傾斜方向へ倒れてしまう恐れがあります。
何とかローププーラーのところまでたどりつくと、私は必死でハンドルをぎこぎこと動かしました。「バキバキ」と、ものすごい音をたてながら、木は傾きを増していきます。
そして、「ドーン」という地響きとともに、スラッシュBは、倒れて動くなっていました。
倒れた木の元の方を観察すると、受け口の上で、木に割れ目が出来ていました。
写真でも丁度 幹の真ん中辺りに、亀裂が入っているのが分かると思います。
危なかったです。この部分が完全に崩壊してしまえば、この木は制御不能となり、
どのように倒れていたか、全く予想もつきません。
もしもスリングベルトがなかったら、この部分が完全に裂けてしまっていたかどうかは分かりません。ベルトがあってもなくてもこの状態だったかもしれませんし、
ベルトの効果があり、この状態でなんとか保てたのもしれません。
ただ、偏芯木はこのように割れてしまう可能性があり、危険が大きいと言うことが、体感として分かりました。
同時にスリングベルトでの保護は、効果的な可能性も高いと思いました。ひと手間加えなくてはいけないので、少々面倒くさいですが、裂ける危険のある木には、必ずベルト巻き付けて、対策をする様に徹底したいと思います。
結果的にスラッシュBは、目標にしていた場所に倒すことができました。
この日は、この2本の木の伐採を目指していたので、 午後3時頃、日没までに若干の余裕を残して、目標達成となりました。
更に作業を進めることにする
スラッシュ A&B は、隣の敷地に倒れる危険があり、かなり厄介な仕事になると思っていたので、 無事に伐採が終わり、私は心底安堵しました。
「 少し時間は早いけれど、作業を切り上げて、温泉にでも行こうかな。」
そんな気持ちも頭をよぎりましたが、 日が落ちるまであと2時間、できるだけ作業を進めることにしました。
今思えば、無理をせず、この日はここまでにしておいた方が良かったのではという気もします。しかし、1週間という短い滞在予定期間なので、その間に少しでも工程を前へ進めたいという、欲というか、焦りが出てしまいました。
新たな強敵「シャドー」の出現
「残すはこのエリアのボス、サニーだけだな。」
「さて、どうやって倒すか・・・。」
私は、そんなことを考えながら、休憩をしていました。
ふと、 スラッシュA&Bがあった方向を見上げると、 その場所には一本の低木、樹高は低いですがどっしりとした印象の雑木がそびえていました。
「コードネーム」シャドーの出現です。
今まで、 スラッシュA&Bの影になっていて、その存在に気づいていませんでした。
こやつが「シャドー」です。
目指すはこのエリアの主「サニー」の伐採
サニーを伐採するにあたり、どの方向に倒そうかと、私はずっと考えていました。
スペースの事を考えると、土地の入り口の方へ向かって倒すのが一番良いのですが、木の傾斜に逆らって、反対側に倒すことになり、ウインチやくさびを使って、木をうまく起こしながら、伐倒方向へ誘導してやらなくてはなりません。
現時点の私には、とてもではありませんが、そんな技術はありません。
サニーは、 東側に向かって傾斜しており、このまま倒せば、 隣の資材置き場に直撃してしまいます。
ただ、東から角度を45度ずらして、東南方向へ伐倒できれば、上手く敷地内に収めてサニーを倒すことができそうです。
ロープとウインチを使ってうまく方向を誘導し、正確な受け口を作ることができれば、私の技術でも、この方向にサニーを倒すことができると判断しました。
しかし、東南方向には、シャドーも含めて数本の低木が密集していました。
サニーを倒す前に、まずはこれらを伐採して、スペースを作る必要があります。
私は、 日没までの残り2時間で、この作業に着手することにしました。
ミドル・イーストエリアの主「サニー」
油断大敵、小木の逆襲にきりきり舞い
方針が決まり、迷いはなくなりました。この辺りの小木を伐採してスペースを作っていきます。日が沈むまでに、あらかたの作業を終わらせ、明日は午前中にシャドー、午後からは、いよいよサニーを伐採するという腹づもりでいました。
チェーンソーとシルキースゴイ(手のこぎり)を使い分けながら、小木を倒してスペースを広げていきました。
すると、1本のたわんだ木が現れました。弓なりに反っていて今にも倒れそうです。 思いっきり東側、隣地の方向へたわんで傾いています。目一杯張力を貯めこんだ姿を見て、少し嫌な感じがしましたが、そこまで大きな木ではありません。大丈夫だと思いました。
本来ならばしっかりとロープで引っ張り、ローププーラーでけん引して、 隣地のある東側を外して、南、 あるいは北方向へ倒さなくてはいけなかったのですが、
木がそんなに高くはなかったので、これ位ならば、そのまま倒しても、ぎりぎりうちの敷地内に収まるだろうと自分に都合よく、考えてしまいました。
サクッと切り込み(追い口)を入れると、 木は、あっけなく東側に倒れていきました。
想定通り、ぎりぎりですが私の敷地内です。
「上手くいった。」 そう思いながら、 チェーンソーを手ノコギリに持ちかえようとした時でした。
なんとも形容し難い不気味な音を立てて、弓なりに張力をたたえた木が、「ビン」とまっすぐに伸びました。
そして弾け飛ぶように、なぜか隣地へ木が・・・・。目の前で起こったことですが、一体何がなんだか訳が分かりませんでした。
そして木の先端が、隣の資材置き場にあった 「錆びついたメッシュ(と呼ばれる鉄筋)」
を一撃しました。「ガガガガガ~」すごい音です。
「ひぇぇぇぇぇ~~やっても~た~。」
あわてて、隣地に入って被害状況を確認します。
幸いにも、メッシュの方は無傷でした。さすがは鉄筋、丈夫です。 激突して大破した木の枝が、あたりに散乱していました。私は秒速でそれらを回収し、シークレットエージェントマンばりに、 素早く証拠隠滅、いえ、清掃をしました。
「いやー危なかった。」
これは完全に私の判断ミスでした。先を急ぐあまり、状況を自分に都合よく解釈して、安全策をとらなかったのです。隣地の人には、後日お詫びをしておこうと思います。実損がでなかったのが、救いでした。
この教訓を生かして、これからの作業をよりいっそう集中して、丁寧にやって行こうと思います。
「やっぱ温泉行っときゃよかった・・・。めっちゃ焦ったわ。」
ぶつぶつと独り言をいいながら、スーパーに半額弁当をゲットしに行く私でした。
つづく