タイニーハウスを自作する理由~家を建てるための業者選びはギャンブルに近い。

ieotateru

私は、自分たちの小さな家をセルフビルドする。自分達で作るという決断をしました。
その理由をの一つとして、どの業者さんに頼んでいいのか分からないという事があります。
私の親戚で、「選んだ業者が誠実ではなく、嫌な思いをした。」
というケースが二つもありました。

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タイニーハウスを自作するわけ

工作が好きで、単純に一度は家を自分で作ってみたかった。
これがシンプルですが、最大の理由です。
ただ、それ以外にもいくつか思う所があります。

以前にいくつか理由を書いた事があります。例えば、

タイニーハウスとは何なのか? 今日は、タイニーハウスとはそもそも何なのか?を考えてみます。前回は私がなぜタイニーハウスを建てたいのかを書いてみました。 前回の記事は...

という記事や、

家賃って高いですよね。家を購入したとしても、ローンなら毎月コツコツと 支払う必要があります。居住費って、ひょっとしたら、自分の人生において、 1、2を争う程の大きな支出かもしれません。出来れば...

という、お金に関する記事も書きました。

そして今日は、業者さんに頼んで家を新築・改築した私の身内の話を
してみようと思います。

うちの実家の話

私が子供の頃、父が経営する店を新築しました。設計と施工は近所の工務店でした。
当然ながら良く知った間柄ですし、父はその工務店を信頼して任せたんだと思います。

莫大な借金をして(建設費としてはごく一般的なものかもしれませんが、
少なくとも私の感覚では莫大な費用です)、一大決心をしての事だったと推察します。

店は完成して、昨年親父の死と共に閉店となるまで35年、無事に役目を果たしました。
営業はしていないものの今もちゃんと建っております。

最近になって知ったこと

随分古くなりましたが、鉄骨で作ってあるし頑強な建物だと、私は考えていました。

しかし、2、3年前だったか、父と酒を飲んだ時、あの店について
初めて聞いた話がありました。

その工務店は、うちの店を立てた後、ほどなく倒産となりました。
父の店を建設している段階から資金繰りも悪化していたらしく、

設計士に「安く上げたいので、もっと基礎の鉄筋の量を減らし、
柱のボルト数も減らしたものを書いて(設計図を修正して)くれ。

と頼み込んだそうです。

もちろん、そのことは父には内緒(相談なしの独断)でしたが、
その設計士も親父の友達であったために発覚した訳です。

その設計士さんは、そんな事は出来ないと断ったそうです。
親父は「あの件は当時かなり堪えた。」と話してくれました。

と同時に「この店は見えないところでかなり手抜きされている可能性が高いんだ。
材のランクも相当落とされているはずだ。」と言っていました。

※「設計士」という資格は存在しません。厳密には一級・二級建築士及び木造建築士の事を
指しますが、実際に会話でそういう表現だったのでそのまま使っております。
父の友人は一級建築士の方でした。

親戚の話

今度はうちの親戚の話です。家を改築する際に駐車場も造成してもらったそうです。

業者からは、「普通の倍の厚さでコンクリ入れて置きましたからすごく頑丈ですよ。」
と言われたとの事。当然ながら「ありがとうございます。」と、
とても感謝していたそうです。

数年後、下水道工事でその駐車場の一部を掘り返さなくてはいけない事になりました。
親戚は工事終了後、配管した業者さんに「コンクリが普通の倍も入っているから
大変だったでしょ?」と何気なく聞いたら、

いや、むしろ薄いくらいでちょっと心配です。
と言われたとショックを受けていました。

きっとこの業者は、どのお客さんにも同じように言っているのでしょうね。
コンクリの厚さなんて、あとから掘り返さない限り分からないのですから。
材料費はしっかり取って、出来る限り薄く作って儲けを膨らます。

こんな奴らばかりが、幅を利かせているのではないと、信じたいものですが・・・。

親父と親戚、たまたま運がわるかったのだろうか?

私の父と、親戚、たまたま運が悪かったのでしょうか?

そんな気もします。世の中には多くの信頼できる建築屋さんが一杯あるはずです。
そういう真面目で素晴らしい業者さんが沢山存在すると私は確信しています。

ただ、一方でそうじゃない業者も同じくらい多いんじゃないか?とも私は推測しています。

私は、自分が商売をしているのでよく分かるのですが、
仕入れ値(この場合なら建築資材費)が抑えられれば抑えられる程、
業者は利益が増えるのです。

安く仕入れられたのなら、その分値引きしてくれたらいいのですが、
そのまま自分の儲けにする事だって可能です。というか大抵そうすると思います。

そして、問題は彼らがプロであるという事です。プロフェッショナルであるがゆえに、
どこまで手抜きしても大丈夫かがよく分かっているのです。

必要最低限、大丈夫なギリギリで作ったら一番利益が上がる訳です。
(お客さんが支払う金額は見積もりを出して、先方も納得の上、
既に決定しているのですから)

特に見えない部分は上手く手抜きがしやすいのではないかと推察します。

こういうケースでは、「業者の利益増は顧客にとっては損失」
つまり、両者は時として、利益相反関係となります。客の損は業者のもうけって事です。

そして、父と親戚はたまたま人を見る目、業者を選ぶ目がなかったのでしょうか?

確かにそうかもしれません。ただ、うちの父は経営者であり、商売人です。
私なんかより、対人スキルはずっと上です。親戚も商社に勤めており、
外国人との厳しい契約交渉を担当していた方です。
二人とも私よりはるかに経験豊富です。

父の話は、この記事で少し書きました。

こんばんは、からまつです。 タイニーハウスのセルフビルドがしたい。そのための土地を探して迷走した、私たち家族のお話...

私よりも人を見る目があるであろう二人が、業者選びに失敗しています。
私が手抜き業者を見抜ける可能性は低そうです。

よって、私がプロに頼んで家を建てる場合、その業者がたまたま良心的なところである事を
期待するという「運」まかせになるでしょう。

もちろん見えない部分だし、父の店も未だに倒壊せずに立っており、
親戚の駐車場も実害は何もないのですが、はっきり言って気分が悪いし、
その分業者がぼろ儲けしていたのだと思うとケチな私は、
ちょっと許せない気分になります。

私の場合

もしも私が、何千万円ものお金を払って家を建てたとして、
後から父や親戚のような事が自分に降りかかったら、
平静でいられる自信がありません。

業者に対しては怒りが収まらないだろうし、自分に対しては見る目がなかったと
落胆するだろうし、激しく落ち込むと思います。

対して、自作の場合、何かあれば責任は全て自分持ちです。ある意味厳しいですが、
風通しがいいです。疑心暗鬼で、「ちゃんと建ててくれたんだろうか?」と
不安に思う事はないでしょう。若干不細工な家にはなるかもしれませんが、
頑丈には作れるはずです。

例えば、私の計画だと、タイニーハウスの土台の鉄骨のために
720か所のボルトの穴あけが必要になります。面倒で大変ですが、
さすがに「手抜きして500か所でいいや。」とはなりません。
自分達が住むのですから。

少なくとも、完成時に家の構造と使ったすべての素材はしっかり頭に入っているはずです。
また、その家の欠点、弱点も自分で分かっています。

将来、必要に応じて修繕や補強などの対策もしやすいです。

何より、人に頼む予算など最初からない

あ、そういえば忘れていました。私、業者に頼めるほどのお金、持っていないのでした。
今まであーだこーだ書いてきた事を全て吹き飛ばす魔法の言葉ですね・・・。

結局金かい!

今日の話はこの辺りで。

本ブログを始めてご覧になったという方は、

このブログは、私(からまつ)とその家族(妻1人子供1人)が、土地(山林)を手に入れ、開拓し、森の中に小さな家(タイニーハウス)を自作(セルフビルド)することを目指す活動の記録です。 ...
こちらの記事をどうぞ。現在自分達で山林(カラマツ林)を開拓中です。
そこに小さな家、「タイニーハウス」のセルフビルドをする事を目指しています。

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コメント

  1. hana より:

    本当にその通りだと思います。
    値段を安く抑える為に何されてるかわかったもんじゃないですよね
    大手なんかは材料は安物使ってるけど、言葉とブランド力で安心させてますしね。

    これから先、作った経験を活かしてに手に工事住宅査定会社でもしてみては??w

  2. karamatsu より:

    hanaさん、こんばんは!テレビでCM流すような会社は、莫大な宣伝費をかけて莫大な利益(粗利率)を
    取っているんだろうなと、推測してしまいますね。
    工事住宅の査定会社はさすがに自分のスキルでは手に余るかもしれませんが、
    友達や家族が家を建てる時は、業者を信頼する事は必要だけど、必ずしつこく確認する事を勧めたいと思います。
    特に別荘とか、施主が現場にほとんど来れないような場合、悪い業者ならやりたい放題出来てしまいますからね。