土台の隅(角)の簡単な形にアレンジする。[仕口・継手 18]

土台の隅は、柱のほぞ穴も組み合わさるため、複雑で加工が難しい形に
なる事が多いです。プロの大工さんではなく、私がセルフビルドで加工しなくては
ならないので、極力シンプルに作る事が出来る形を採用しました。

私がセルフビルドの教科書にしている「100万円の家づくり」では、
土台の隅(コーナー部分)は、「襟輪小根ほぞ」という仕口が使われています。

このホゾの加工はかなり複雑だったので、
なんとかもっと簡単なやり方はないかと、
探していました。

土台部分で使用する継手「腰掛け鎌継ぎ」が少しずつ完成してきました。 すると「これ、本当にちゃん出来てるの?」という疑問が生じてきます。 そこで、この心配を解消するために試し組をしてみた...
(本題の前に、前回のお話はこちらです)

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土台の隅の仕口を簡単な形にする

土台のコーナー部分は垂直方向には柱が立ちます。
普通に作ると細かい造作が増えてしまいます。

シンプルな【平ほぞ】をベースにした形を採用

色々と考えた挙句、私が採用したのはシンプルな「平ほぞ」を
使った仕口です。

この形を使うために、写真の様に約5寸半ほど横に出っ張りを残して組む事にしました。

綺麗に長方形で納めると、写真の赤丸の部分の余白が少なすぎて、大きな力が掛かった時に
破損してしまう可能性が高いためです。

こんな感じでジョイントします。

別の角度から見るとこういう感じです。

仮組してテストする

ホゾを一度組み立ててしまうと、なかなか取り外す事が出来ず
大変だろうと思ったのですが、

実際に組んでみないと、ちゃんとできているのかも
分からないので、仮組してテストする事にしました。

材を痛めない様に、慎重に当て木をしながら叩いて入れていきます。

反対側も順調です。

材に割れが走っているのが見えますね。
どうやら冬の間の乾燥で、干割れしたようです。

見栄えがよくないので心配ですが・・・。

強度にはあんまり影響がないという事で、
このまま気にせずに進めていく事にします。

さて、すったもんだの末に、どうにか上手く行ったようです。

無事にはまって、ほっとしました。

本組では、これにプラスして、金具と火打ちでしっかりと補強して
完成になります。

外すのはすごく大変です。

思いのほか上手く行ったので、しばらく土台を眺めながら、にやにやした後、
片付けに入りました。

ここからが長かったです。

手で引っ張ってみたものの抜ける気配はありません。
もちろん、あんまり簡単に外れるようでは心配です。

なので、これ自体は良い事だと思いますが、
なんとしてもバラさないと、現地へ運搬する事が出来ません。

当て木をして、金槌で叩きながら、すこしずつ外して行きます。
ホゾを痛めたくないので、慎重に時間をかけてゆっくりやりました。

少し隙間ができたら、伐採用のクサビを持って来て、クサビで両サイドなるべく
均等に力がかかるようにして、ホゾを抜いて行きます。

ようやくここまで抜けました。
よかった。無事に外す事が出来そうです。

前から心配していた土台の隅(角)の部分の目途がたって、ほっと一息です。

次は【大引き】の加工

次の行程は大引きの加工です。

大引きは、「腰掛け蟻ほぞ」で仕口を作ります。

蟻ホゾに腰かけを入れて、「大入れ蟻掛け」という形の仕口を土台と大引きの接合部分に採用する事にしました。 前回に引き続いて、蟻ほぞの刻みのつづきのお話です。 昨晩、完...
すでに片側は全部作成済みなので、
反対側にも、これから同じものを作って行きます。

こちら側は失敗するとやり直しがきかないので、
後回しにしていました。

蟻ほぞをあと11ヶほど作れば、土台部分の刻みは完成です。

作業が進んだらまた報告します。

土台の隅(角の部分)は、シンプルに加工できる【平ほぞ】をベースにした形を 採用しました。今日は、平ほぞ作りを実践した際の模様をお伝えします。 平ほぞの加工(雄側) ...
こちらの話に続きます。

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