こんばんはからまつです。
さて今日は、年末年始に行なって来た、土地の開拓・伐採の話の続きです。
到着初日の午後、 最初に伐採したウッドペッカーは、芯腐れの危険木でした。
思わぬ方向に倒れて、一瞬肝を冷やしましたが、なんとか掛かり木になることは避けられました。
この日はここまでにしておこうかと思いましたが、 まだ時間はあります。
なんとか良いイメージで1日を終えたかったので、もう一本伐採を進めることにしました。
土地の西側にそびえるカラマツたちの前を行ったり来たりしながら、次に伐る木の目当てをつけます。ふと、一本の木に目が留まりました。
大きさは、さっき倒したウッドペッカーとそれほど違わず直径26センチ程度、樹高は25m程度です。枝振りの感じからして、この木は元気が良さそうです。
コードネーム「ムスタング(じゃじゃ馬の意)」と命名しました。
今度はしっかりと、狙った場所に倒すべく、慎重に準備を開始します。
日没間近~タイムリミットがせまる中で
セッティング開始
例によって木にロープをかける作業で、随分時間を使ってしまいました。
今日は12月24日、世間はクリスマスです。
冬至を過ぎたばかりで、日も短く、 5時前には作業ができなくなってしまうでしょう。
既に時刻は4時20分。ついつい気持ちが焦ってきます。
写真の黒い丸で囲った部分にロープがかかっています。黒い矢印の方向へ牽引しています。非常に見づらいですが、 黒い矢印の少し下に白いロープが、「見える。そこにロープがある。」と思って、ご覧いただくと、見えてくるかと思います。
また、チェーンソーを入れて、受け口を作る予定の高さの少し上に、「突然の裂け」から身を守るためにスリングロープを巻いておきました。
先ほど倒した、ウッドペッカーの伐採時には、裂け防止のスリングロープの処理を怠っていました。 中が腐っているとは思わず、偏芯の具合もそこまでひどくなかったため、つい大丈夫だろうと判断してしまいました。
作業の過程で、ひと手間を惜しみたいがために「多分大丈夫だろう。」と、自分に都合のよい解釈をしてしまいました。
こういう事をなくすため 、 ムスタング以後のカラマツの伐採では、偏芯や腐りなどの木の状態に関係なく、必ず裂け防止のスリングベルトを巻きつけることに決めました。
プロではないのですから、いくら時間がかかってもよいのです。とにかく安全第一が基本です。
時刻は4時半を回り、いよいよ辺りが暗くなってきました。
なんとか受け口を完成させます。
トラブル発生~どんぐり退場
ここで、作業をサポートしてくれていた妻どんぐりが、
「寒い。冷えた。」と、いつものセリフを唱え始めました。
しかし今回は、いつものセリフの後にさらにワンフレーズが追加されていました。
「寒い。冷えた。腹痛い。」
突然車の方へスタスタと歩き出すどんぐり。
「紙、紙、紙、スコップ、スコップ、スコップ。」と連呼しながら何か探している様子です。
お目当てのものが見つかったのでしょうか。 車のドアが閉まる音が聞こえ、どんぐりはこっちへ戻って来ると、私の前をスタスタと通り過ぎ、そのまま林の中へ消えて行きました。
どんぐり退場です。
そうこうしている間にも、周りはどんどん暗くなって来ます。どんぐりの戦列復帰を待っている時間はなさそうです。
私は林に向かって叫びます。
私「お~い。今から倒すから、 木が倒れても大丈夫なくらい離れてや~。」
どんぐり「分かった~。」
追い口を入れる~伐採決行
私は急いでチェーンソーを始動させ、追い口を入れ始めました。 もうあと数分もすれば、完全に日が落ちてしまいそうです。 全神経を集中させ切り進めます。
やがて「パキパキ」という音が走り、ムスタングはゆっくりと倒れ始めました。
そしてドーンという轟音が、暗くなった辺り一帯に響き渡りました。
よかった。今回は狙った方向に無事に倒す事ができました。
「お~い。大丈夫?生きてる~?」
林の中からどんぐりの声が聞こえてきます。先ほどの轟音と振動で、木が倒れた事を察知したようです。
私「大丈夫だ~。生きてるで~。そっちは大丈夫か~?」
どんぐり「 大丈夫~。」
私「ちゃんと埋めてきてや~。」
どんぐり「わかった~。」
本ブログの読者さんの中には、御結婚前の若い方もいらっしゃると思いますので、ご参考までに申し上げておきます。
結婚前とは違い、結婚した後には、「クリスマスイブに山林で伐採」とか、「クリスマスイブに林の中で野グソ」とか 、
そういった事が、よく起こり得ます。 それがスタンダードだと、覚えておいて下さい。
またクリスマスイブの会話の内容も「夜景が綺麗。」だとか「このお店の雰囲気が素敵。」などと言う、どうでもいい事オシャレなものではなく、
「生存の確認」とか「下の後始末の確認」など、人間が生きていく上で必要不可欠な話題へと変化していきますので、 これも頭の片隅にでも入れておいて下さい。
また、本ブログは、「山林を自分達自身で伐採・開拓し、そこでタイニーハウス(小さな家)のセルフビルドを実践する。その過程で私たちが得た、読者の皆さんの役に立つ、有益な情報をお届けする」ブログです。
決して、頭と腹の弱い夫婦の珍騒動を記すブログではありませんので、本記事より、初めてこのブログを読み始めたという皆様におかれましては、誤解される事のないよう、お願い致します。
ともあれ、ムスタングの伐採は無事に終了しました。ほぼ同時に、日は暮れて真っ暗になってしまったので、倒れて下敷きになっているスリングと、ロープの回収は、翌日に行うことにしました。
最後に本日の本ブログから得られる、有益な情報は以下になります。
「もしも伐採作業中に、もよおしたら、木が倒れて来ても、絶対に当たらない位置まで離れて、用を足すこと。それが大でも小でもな。」
※自分以外の作業員がいる場合、必ず伐倒前に他の作業員が安全エリアまで退避を完了しているか確認する事が大事です。確認を怠ったゆえの事故が毎年発生しています。
つづきはこちらの記事です。
https://tinyhouse-story.com/tamagiritobassai