前回に引き続いて、蟻ほぞの刻みのつづきのお話です。
昨晩、完成させた蟻ホゾを見て思いました。
「なんとなく、頼りない・・・。」
なんか、思ったよりホゾ(でっぱり)の部分が小さく感じます。なんども測って確認しましたが、ちゃんと既定のサイズ通りには作れています。
「これ、パキッと折れてしまわないもんだろうか・・・。」と素朴な疑問が湧きあがります。
この部分は、大引き(おおびき)といわれる、床を支える部分で、厳密にいうと土台とは違う訳です。土台には、柱からの強烈な荷重がかかりますが、ここは床を支える部分なので、そこまで大きな力がかからないため、この仕口が使われるのだと思います。
しかし、私の家は下が台車なので、普段は移動しませんが、1年に1回くらい、敷地内を動かす可能性も少ないながらもあります。
動かす時にかかる、水平方向への荷重なども考えて、もう少し強い仕口にしようと思いました。
仕口を大入れ腰掛けありに変更する
大入れと腰掛け部分をつける事にした
一晩なやんだ挙句、もうひと手間加えて仕口の強度をあげる事にしました。
当然ながら、工程が増えるため、従来の蟻ホゾよりも製作に時間がかかってしまいますが、ここは気合を入れてがんばろうと思います。
昨晩作ったありほぞを
裏返して、さらに5分(15ミリ)幅で切れ込みを入れます。
鋸刃の切り込む深さは
材の丁度半分の52.5ミリです。丸ノコで51~52ミリの切り込みを入れました。
次に、ほぞのすぐ上に
所を(写真でみると水平方向に)のこぎりで慎重に切断して、「腰掛け」部分をつくりました。
この写真では、下側が上になっています。実際には、ひっくり返して反対向きで設置します。
この腰掛け部分を作ることで、荷重に対してより強くなるはずです。という訳で、ようやくひとつほぞが完成ですね。
当然ながら、これを受ける側(メス)も作らなくてはなりませんが、こっちは失敗するとちょっと面倒な事になる部分なのです。
土台は、3メートル材と4メートル材を組み合わせて作るのですが、3メートルの檜材(1本1296円)に対して、4メートルの檜材は1本3218円とお値段2.5倍です。
高いので、4メートル材は、必要本数ぎりぎりしか買いませんでした。なので、4メートル材部分は必ず、1回で成功させなくてはなりません。
という事で、何度も失敗できる大入れ腰掛け蟻のオス部分を何個も作って、その間に出来るだけ、木材加工のスキルを上げようと思います。
大入れ腰掛けあり(オス)を量産してひたすら練習する
この大引き部分は両端に「大入れ腰かけ蟻(オス)」を作ります。しかし、まずは片側だけひたすら作る事にしました。
最初に刻む片側部分は、材の長さに余裕があるので、失敗したらそこを切り落として、また作る事が出来ます。反対側は、長さを合わせて(切って)から刻むので、こちら側は1回で成功させる必要があります。
なので、反対側は慣れてから作ります。
失敗例を公開します
とは言いつつも、
1つ目はそこそこ上手く出来たし大丈夫だろうと思っていたのですが、やっぱりやらかしました。
次回は、失敗例を公開します。
そして、その反省と対策も考えたので、それもついでに。
こちらに続きます。
大入れ腰掛け蟻の女木の製作実践記はこちらです。