ロケットストーブのメリット・デメリット~その魅力と注意点(危険性)を考える

こんばんはからまつです。 前回までは、自作したロケットストーブの実際の使用報告をお伝えしておりました。今回はそれらを踏まえて、私が感じたロケットストーブの使用レビューと言いますか、そのメリットや取扱いの注意点について考えてみます。

ロケットストーブは非常に魅力的ですが、使い方を誤ると危険な点も多いと感じました。 火を扱う物ですから、実際の使用にあたっては、注意する点が結構あると実感しました。

以前書いた、ペール缶のロケットストーブに関する記事が、いくつかあるのですが、 材料の準備の話や、作り方の話、使用レビューやアニメネタなど、多岐にわたっていて、 すこし探しにくい状態...
ロケットストーブについてまとめた記事はこちらをどうぞ。

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ロケットストーブのデメリット

危険性

火傷(やけど)

昨日のお話でも紹介しましたが、息子ガジュマルが、ロケットストーブを使用中に見事に髪の毛を焦がしました。

こんばんはからまつです。さて昨日は、ロケットストーブを実際に使用して、まずはお湯を沸かしてみたという話を書きました。 そして今日はその続きです。 ロケットストーブ料理に挑戦 ロケットストーブ...
幸いにも髪の毛だけで済みましたが、一歩間違えば、大きな火傷を負う可能性もありました。

私が自作したロケットストーブは、煙突最上部の高さが、ちょうど子供の顔近くになってしまっています。

この部分が一番高温となり、大変危険なのですが、薪などの燃料が燃える位置、炎が発生する位置は、一番下の部分のため、ついついそちらへ注意が行き、ストーブ上部の高温部分への注意が疎か(おろそか)になってしまいます。

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最上部の高温部分にはくれぐれも注意しましょう。

火災

今回はロケットストーブを2時間ほど、連続運転しました。その間、ひのきの切りくずや、木片などを断続的に供給したため、ストーブ自体が非常に高温となり、煙突が真っ赤になりました。

その部分は、少なくとも400度以上の高温になっていたと思います。

ロケットストーブは、その構造上、ヒートスタビライザー (断熱された、ペール缶内部の煙突直筒部分)で、二次燃焼が起こるため、 その炎は、500℃~600℃にも達します。

実はこれが、少ない燃料で強い火力を生み出すことができる、ロケットストーブ最大の魅力なのですが、その火力ゆえに、常に火災の危険がつきまといます。

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真っ赤になったステンレス煙突(写真の部分)に小枝の先端を当てると、すぐに引火し、そこから火の粉と煙が出てきました。つまりこの部分が、可燃性の木などに接触してしまえば、すぐにそこから引火し、火災となってしまうのです。

よく薪ストーブの「メガネ石」の部分は、十分すぎる程に、大きく、厚く作らなくてはならないと聞きますが、その意味がよくわかりました。

いわゆる煙突火災と呼ばれる現象が起こるときは、煙突が真っ赤になるそうです。

おそらくこのロケットストーブの写真の部分のようになるのでしょう。

この状態になった時に、煙突が少しでも木の部分と接触していれば、簡単に引火し火事になってしまうでしょう。 非常に危険です。

ロケットストーブは、燃焼効率が良く、燃え残りが少ないので、煙突火災の起こる可能性が低いという話を聞いたことがありますが、今回自分で作って、使ってみて、決してそんなことはないと思いました。

二次燃焼が起こり、炎自体は500~600℃もの高温になるわけで、煙突や本体にその熱が伝わり、何らかの理由で、そこに可燃物が接触すれば、簡単に火が起きてしまいます。

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(高温で直筒が真っ赤になっている様子・)

私が作ったものは、屋外での使用を前提としたもので、屋内用に使えるような耐久性や性能は、最初からありませんが、もしもロケットストーブを暖房として、室内に導入するのならば、その素材や構成なども含めて、慎重に設計し、

何度も何度も屋外でテストしてから、屋内に導入しなくてはならないでしょう。そして導入後も、煙突のメンテナンスなどは、定期的に行わないと危険ですね。

もちろん煙突等のメンテナンスに関しては、薪ストーブでも全く同様だと思います。(特に自分で煙突を引く場合には)

理論上はともかく、体感としては、絶対に安易に室内に持ち込んではならないなというのが、私の感想です。「まあ多分大丈夫だろう。」という考えは、ロケットストーブや、薪ストーブを屋内で使う際には、捨てた方が良さそうです。

特に、自分で施工を行う場合には、全て自己責任ですので、石橋を叩き壊すくらいの勢いで、安全には気を使った方が良いですね。

煙やにおい

ロケットストーブは、燃焼効率が良いため、煙が出ない。

と、これまたよく聞く話なのですが、普通に出ます。

正確に言えば、煙の出る量は少ないし、高温で安定的に燃えている際にほとんど出ていませんでした。

ただ、運転開始初期や、湿った枝を投入してしまった時などには、煙が出ます。 同様に、薪を燃やす匂いは、どうしても発生します。

私は木の燃える匂いは、苦手ではないので平気ですし、今住んでいる場所は田舎なので、特に問題はありませんが、住宅街の庭先で、ロケットストーブを使うというのは、煙の発生などを考えると、控えておいた方が良さそうな気がします。

暖房能力は薪ストーブの方が上かも

同じ条件で薪ストーブを炊いていないので、比べようがないのですが、今回作ったペール缶式ロケットストーブは、熱が上の方に集中します。薪ストーブの場合は、本体から熱が放散するので、暖房として使った場合には、薪ストーブの方が暖かいという気がします。

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ただ、ロケットストーブは、 煙突を長く、横にも引くことができます。 色々な形にカスタマイズすることができるので、暖房を前提にした設計をすれば、工夫次第で快適な暖かさが得られるはずです。

ロケットストーブのメリット・魅力

燃費の良さ

今回の約2時間の燃焼実験において、薪ストーブで使うような太さの薪は、一本も燃やしていません。 にもかかわらず非常に強い火力が得られました。

わざわざ薪割りをしなくても、その辺に落ちている小枝(十分に乾燥している必要はあり)だけで、煮炊きができそうです。

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イメージとしては、この写真に写っているヒノキの木片だけで、一食料理が作れてしまうくらいの火力を得られました。

料理に向いている

燃費の良さや、火力の強さ(上部に熱を集めることができる)から、料理には非常に向いていると思います。 コイツで作った石焼じゃがいもは、非常に美味しかったです。

ちょっと強火にしたいという時に、その辺に散らばっているひのきの切りくずを、一握り入れるだけで、すぐに火力が上がります。

自作のバリエーションが豊富

私が考える、ロケットストーブの最大の魅力がこれです。今回作ったのは、ペール缶バージョンの一番オーソドックスで、シンプルなものですが、これを 様々な形にカスタマイズすることが可能です。

今作は、直火が直接、調理器具にあたるので、どうしても煤(すす)がついてしまいます。少し改造して、直火が直接当たらないタイプのものも、作ってみたいなと 思っています。

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(すすだらけになった土鍋の様子)

また、 レンガを使ったロケットストーブや、一斗缶を使ったもの、あるいは角パイプ(鉄骨)を使ったものなど、様々なタイプのロケットストーブが作れます。工夫次第で本当に色々なこと(用途に対応したもの)が出来そうです。

まとめ

炎の揺らめきを見ていると、心が落ち着きとっても安らぎます。

と同時に、火は扱いを間違えると、常に火災の危険がつきまといます。

慎重に慎重に、炎と付き合い、楽しみたいものです。

それでは、今日はこの辺りで。

本記事では、ペール缶ロケットストーブを自作するためにそろえる材料とそれらパーツの 値段(価格)について調べました。 こんばんは。このところ、 仕事で一日中座りっぱなし、すっかりインドア派...
ペール缶型自作ロケットストーブに使った材料や費用に関する記事はこちらです。
ペール缶ロケットストーブの製作実践編をお送りします。製作過程で、まさかのハプニングもあり(材料買い忘れ)、例によってどたばたしながら、作りました。これから自作する方の参考になれば嬉しいです...
ロケットストーブの作り方はこちらの記事からどうぞ。

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