こんばんは、からまつです。
タイニーハウスのセルフビルドがしたい。そのための土地を探して迷走した、私たち家族のお話もいよいよラストが近づいて来ました。
今日は、前回の話に引き続き
所有権移転登記のお話です。
本来、登記は自分ですべきもの
一般的に、不動産関係の登記や、会社設立などの登記は司法書士さんにやってもらうものというイメージが強いかと思います。
しかし、登記は本来自分で出来るし、するべきものなのです。
その根拠は、こちらのサイト「自分で登記.com」に詳しく書いてありました。
このサイトの中で、登記は人生で一度きりではなく、何度も行う機会があるので、
自分で出来るようになっておいた方が良い。というような事が書いてありましたが、
これは、本当だと思います。
うちの実家の例
昨年の春、うちの母と、その兄弟(私から見て叔父、叔母)は長年空き家になっていた実家を売却しました。
私から見て、おばあちゃんのお家ですね。
母は、その土地を売らずに残しておきたかった様ですが、長年空き家になっていて、木も伸び放題で、近所からは○○ジャングル(○○には母の旧姓が入ります)とよばれていたそうです。
管理に困っていたところへ、叔父が病気になり、どうしても現金化が必要になったようです。
売却の際、古家を解体し、更地渡しという条件だったそうで、その際、買い手側の司法書士から、取り壊した建物の滅失登記の要求&営業をされたそうです。
建物は、通常建てると、登記(ここに家を建てました、という登録ですね)をするのですが、
建物が解体された場合には、(もうここに建物はありません)という登記を新たにするのです。それが滅失登記です、
費用は10万円です。更に本来の所有権移転登記費用も別途6万円の請求があったそうです。
こちら方の不動産屋さんに相談すると、滅失登記は現況更地なのだから(ようするに誰がみても、もう建物がない事は一目瞭然なので)
通常はそこまでしなくてもいいんじゃないかという意見でした。
私もそう思ったので、「無視しとけば?」と言ったのですが、どうにも心配だったようで、悩んでいました。しかし、10万円も余分に払うのは納得がいかなかったらしく、
結局、自分で法務局へ足を運び、自分で滅失登記をしたそうです。
費用は書類代他で2、3千円だったそうです。「自分でやって本当によかった。」
と何度も言っていました。
親父の死と登記
昨年は色々な事が重なった年でした。
夏には、親父が亡くなりました。
私は18で家を出るまで、よく親父とは衝突しました。
その頃、私は学校の教育というものに、がちがちに洗脳されており、
商売人であり、経営者である親父の考え方が理解できなかったのです。
私の周りの友達はほとんどサラリーマンのお父さんをもっている訳です。みんな朝から晩まで働いているのが普通。それが美徳だという事を、繰り返し繰り返し、学校でも教えられたような気がします。
当然私も、それが正しいことだと信じていました。
ところがうちの親父ときたら、もうめちゃくちゃなのです。
まず、自分の店の開店時間が決まってませんでした。
朝適当に起きてきて(たいてい家族の中で一番遅く)「おう。そろそろ店開けるぞ。」
こんな感じです。寝坊すると開店時間が遅れ、お客さんが店からではなく、家の玄関から入ってくるというカオスな状態でした。
そして、昼間から将棋の定石をひたすら盤に並べ。あきると昼寝。午後はゴルフの素振り。
店の対応はほぼ、店員さんと、母らにまかせています。
で、閉店時間も適当。晩御飯の用意が早くできた日など、あっと言う間にシャッターが降りています。
今思えば、これも人脈と情報を手に入れるためだったとは思うのですが、しょっちゅう、嬉しそうに飲みに行ったり、旅行に行ったりしていました。
本人は「仕事のためだ。付きあいは大変だ。」などと言っていましたが、その割にはやたら嬉しそうに、ハワイまでゴルフに行き、毎回マカダミアンナッツを買って帰って来ます。
なので、当時の私は、「この人は、なんていい加減でだらしない、適当な人なんだろう。」と
嫌悪感を抱いていました。
とにかく、四六時中、遊んでいる様にしか見えない人だったのです。
自分で商売をはじめてから、親父を尊敬できるようになった
そんな親父の事を「こいつ、ひょっとしたらすごい奴だったのか?」と思うようになったのは、30過ぎてからでした。
当時、郊外に大型店舗ががんがん立ち始め、うちの実家の様な小規模な店はどんどんやられていきました。
私は、「親父の店、大丈夫なのかな?つぶれなきゃいいが。」と常々、心配していました。
でも、親父の店は、昨年、亡くなる1か月前に店を閉めるまでずっと生き残り続けました。
最後の月の帳簿は私が見たけど、少ないながらも、
利益を出しており、黒字での閉店でした。
私が家を出て20年経つのに未だ、店の開店時間は決まっておらず、
NHKの朝の連続ドラマを見終り、ごはんを食べてお茶で一服した後、適当に店を開けていました。
母が言うには「あまちゃん」以前は朝のNHKのドラマがつまらなかったらしく、開店時間がもっと遅かったとの事。このところずっと面白いので、店を開ける時間が(わりかし)一定で助かっていたそうです。
私が子供の頃から、メインで扱っている商品は変わらないのですが、それ以外のものはその時代、時代で親父が仕入れをカスタマイズしていたようです。
そして、どうにも客足が落ちた時期に、地元のメーカーさんや、病院などに直接販売して、逆に業績を伸ばした様子です。
なんだ親父、ちゃんとやるべきことをやっていたのか。どこをどう見ても遊んでいるようにしか見えなかったのに・・・。
そんな親父のことを素直に尊敬できるようになったのは、最近のことです。
話がずいぶん脱線してしまいました。
脱線した話を登記に戻そう
昨夏、親父がなくなり、残った家を母が引き継ぐことになりました。
ここでもまた「所有権移転登記」が必要になりました。
司法書士さんに見積もりを頼んだらなんと30万円。ほんとかいな?
母は、先の滅失登記で自信をつけたらしく、今回も自分でやると言っています。
滅失登記で10万円、今回の登記で30万円。計40万円(司法書士依頼の場合)
自分でやれば、二つ合わせても数千円です・・・。ほぼ無視して良いレベルです。
一回の登記につき、2度法務局に足を運んだとしたら(1度目は説明をうけて教えてもらい、2度目に書類提出と仮定します)
計4度法務局に足を運べば登記完了です。
40万円÷4日=10万円/日
自分で行えば一日あたり、10万円の対費用効果が望めます。
なので、結論です
日給10万円以下の庶民は、自分で登記すべし。
日給10万円以上稼ぐ人は、司法書士に頼んだ方がいい。
もちろん、今回のケースはうちの実家の話で、田舎の司法書士、ボリすぎだろ・・・
という感じもします。東京ではもっと安くやってくれるのかもしれませんね。
ただ、それでも自分でやる金銭的メリットは大きいと思います。
しっかり勉強して自分で登記したら、それはそれで一つのよい経験になりそうです。
そんな訳で、当然私も自分で登記すべく準備したのですが・・・。
次回へつづきます。
追記
所有権移転登記では、登録免許税が登記の際に手数料でかかります。
私の買った山林では、地価があまりにも安く、登録免許税がほぼ無視できる金額だったため、
書き忘れてしまいました。
なので、例えば1000万円の課税標準評価額の土地の場合、
1000万×0.015=15万円
の登録免許税が別途かかります。高いですね。土地を買ったら年貢を取られるんですね、
この国は。
家の実家の所有権移転登記の見積額(司法書士さんに出してもらったもの)は
おそらく、この登録免許税こみの価格です(そうであると信じたい)。
なので、普通の価値のある土地の登記を、自分でやった場合の対費用効果は落ちそうです。
よって訂正いたします。
日給5万円以下の庶民のみなさん、自分で登記しましょう。
日給換算でそれ以上の富裕層の方は、司法書士さんに頼みましょう。
以上、追記でした。
へつづく。