しかし、そんな時代でも、今思えば「あの人のやっていた事ってBライフだったのかもしれないな。」と最近、ふと思い出す機会がありました。
今日は、私が出会った昭和のBライファーについてのお話です。
今日は、タイニーハウスの
セルフビルドと、土地探しの話はすこしお休みして、私の少年時代の出来事を少し書いてみようと思います。
(なお、前回の土地探しのはなしはこちらをどうぞ。)
この記事の内容
Bライフとは?そして、早過ぎたBライファーの話
Bライフとは。
提唱者は寝太郎さん
私のこのブログを読んで
くださっている方で「Bライフ」という言葉を知らない方は多分いらっしゃらないのではと思いますが、
寝太郎ブログの寝太郎さんが、提唱した言葉です。
(写真は、寝太郎さんの著作「僕はなぜ小屋で暮らすようになったか。」です。)
僕はなぜ小屋で暮らすようになったか 生と死と哲学を巡って (DOBOOKS) | ||||
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Bライフは「6つのBの頭文字を取ったもの」
- ベーシックライフ(Basic)・・・固定費を抑えた必要最低限の生活。
- ベイビッシュライフ(Babyish)・・・素人が試行錯誤で遂行できる生活。
- ぼっちライフ(Bocchi)・・・何もかも一人でできる自己完結的な生活。
- B級ライフ(B-Grade)・・・A級ではない、B級生活。
- ビギニングライフ(Beginning)・・・自分の人生の原点・出発点。いつでもここに戻ってくればいいと思える場所。
- ボヘミアンライフ(Bohemian)・・・心身ともにノマド的・非定住的であるための、身軽な定住生活。
Bライフ創始者、寝太郎氏
こうして、改めて読んでみると実によく考えられた言葉だなと思います。
(2017年2月追記:寝太郎さんの新著が発売になりました。)
自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ (ちくま文庫) | ||||
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寝太郎さんの本を一冊も読んだことがない方は、こちらの方がおすすめです。
私が特に好きなのは、BabyishのB「素人が試行錯誤で遂行できる生活」
昔は家だって、村人が集まって
協力して建てました。必要に応じて自分達で増改築もしました。でも今は、プロが作る既製品が家の定義であるかのようになっています。
既製品はカスタマイズが
難しいです。どこか手を付けるならば、またプロに頼む(金をかける)必要があります。
修繕もそのつど、プロに
頼まなくては出来ない家になります。
下手をすると、一生金のかかる家になる可能性もあります。
それならば自分で作って、
自分で改善、修繕出来るという選択肢があってもいい気がします。
これからの時代、
「家を建てよう!」と思った時に、ファーストクエスチョンが「どこのハウスメーカーにしようか?」
ではなく、
「自分で作ろうか?それとも誰かに頼もうか?」になったらいいなと秘かに思っています。
家に限らずですが、
素人が取り敢えずやってみたっていい。
そんな選択肢があらゆる場所で生まれたのならば、いくらか生きるのが楽になるような気がします。
5番目と6番目のB「Beginning&Bohemian」にもあこがれます。
「いつでも戻って来れる自分の拠点」が出来たら素晴らしいです。
そして、それが一つじゃなくてもいい。
探すのにしっかりと時間をかければ、
低予算で拠点を3つ持てるかもしれません(全部自分の土地でなくても別にかまいませんしね)その3つを行き来して生活するのも楽しそうです。
移動しながら生活する自由も
あっていいはずです。いざという時に、撤退できる自由すらあってもよいと思います。
「小屋暮らし」は、
Bライフのひとつの形と言えるのかもしれません。
当然、「小屋で暮らしてるけど、自分、Aライフです。」という方もいるに違いありません。
また、Bライフというものを
実践している方が何人かいたとして、それぞれのBライフは全て違っていて当たり前です。
「小屋に暮らしてないけどBライフ、
という事も一つの形態としては、存在するのかもしれません。」
まだ「Bライフ」という言葉がなかった時代へ飛びます。
学校でブッシュマンの噂が広まった・・・
「知ってる?」「A山の奥にブッシュマンが住んでるんだって!」
「何それ?」「なんか、ヘビとか虫とか食ってるんだって。」「ひえええ。」
「歯が一本もないらしいよ。」「・・・・。」
いくつの時だったか
定かではないのですが、私がまだ小学生の低学年だった頃だと思います。学校でそんなうわさが広がりました。
私はとくに興味がなかったので、「へえ~。」と思っていました。
しかし、友人H君は
ブッシュマンに興味を抱いてしまったらしく、私に、「A山にブッシュマンを探しに行こう!」と言い出しました。
A山探検に担ぎ出される
当時アニメで「トム・ソーヤの冒険」が
放映されており、インジャン・ジョーという悪い男(人殺し)が出てくるのですが、
ブッシュマンの噂話を聞いた時、
私は、なぜか反射的にブッシュマンとインジャン・ジョーを結び付けてしまいました。
なので私は必死で反対しました。
「ダメだよ。ブッシュマンに見つかったら殺されるよ!」
しかし、好奇心旺盛なH君は
一歩もひきません。「大丈夫!遠くから見るだけだから。」
私は、行きたくなかったものの、
H君から、臆病者と思われるのが嫌で、しぶしぶA山探検に付きあう事にしました。
A山は遠し
A山は家から数キロ離れています。
今考えると大したことのない距離なのですが、当時の私には今まで一度も足を踏み入れた事もない、遥か彼方の土地に思われました。
学校から帰って
ランドセルを放り投げると、すぐさま出発しました。
学校帰りの子供たちで
にぎやかな県営団地の脇を抜けると、
あとは田舎の県道をひたすら歩きます。
「本当にA山ってあるの?もう帰ろう・・・。」そう言おうと思った矢先、
それらしき山を見つけました。
「あった!あれだ。」H君が叫びます。
このA山、当時は紛れもなく山だと
思っていましたが、今考えると、山と言うよりは、ちょっとした「丘」のような形状の土地です。
周囲に比べてこんもりと20メートルくらい隆起した林があるのです。その近辺は平坦地が多く、この程度でも山という名称がついたのだと思います。
見ると、山へとつながる砂利道が一本あります。
私たちはその道を中へと入って行きました。
外から見ると開けていて
見通しのよい小高い丘だったのですが、中へ入ると一転、薄暗く、木々はうっそうと茂っています。いつのまにか道も細くなり、獣道のようです。
ほんの5分も経たないうちに、
私の心はすっかり恐怖に支配されてしまいました。
「もう帰ろう。」そうH君に
告げると、彼も「・・・うん。帰ろう。」
私たちは、今来た道を戻ろうと振り返りました。
「あれ?こっちから来たはずなのに・・・」
見回してもあたり一面同じ景色です。
「どっちから来たんだ?」
どうやら完全に道に迷ってしまった様です。
話が長くなってしまったので、明日につづきます。