無念。自分で登記に失敗した。 土地探しの旅 28話

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こんばんは、からまつです。昨日の話

こんばんは、からまつです。 タイニーハウスのセルフビルドがしたい。そのための土地を探して迷走した、私たち家族のお話...

に引き続き、今日も登記の話です。

ところで、昨日の話に少し補足をしたいのですが、

「所有権移転登記」の際、相続や現金での売買ならば、

自分で登記出来ますが、ローンを組んでの購入の場合、残念ながら自分での登記は

難しいようです。

ローンの場合は、万一のトラブルを融資先の銀行が恐れるため、大抵は銀行の指定する司法書士さんが登記をするという形になるようです。やはり、借りるという立場ですから、無理は言い辛いですね。

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いざ、自分で登記にチャレンジ。しかし想定外の事態に。

まずは、自分で登記する事を不動産屋さんに伝える

さて、ここからは私の実践記録です。

まずは、不動産屋さんに「自分で登記します。」とメールをしました。

以下実際のやり取りです。

 Q様

ご連絡ありがとうございました。
お送り頂いた売買契約書と重要事項説明書の方、熟読いたしまして
私の方で分からない事などがあった場合は事前に質問をさせて頂こうと
思っております。

それから、今回の売買の所有権移転登記ですが、
現金で支払をするため、とくに抵当権の設定なども必要がないことから
私が自分で行うつもりでおります。

引き続きよろしくお願い申し上げます。

からまつ

一応、現金払いでローンもないから自分でやってもいいですよね!

というニュアンスをにじませました。

あっさりと拒否

対してQさんのメールです。

所有権移転登記について、権利証が今の登記識別情報通知でないもののため、
今回の該当物件以外の土地についての権利も同一の権利証にあるので、資格者である司法書士にて登記をお願いしたいとのことです。

○○様の指定司法書士(○○○)に確認しましたが、登録免許税
以外に司法書士報酬及び謄本取得等の実費として52,920円が必要になりますが、ご了解願います。

あっさりと、無理ですというお返事が来ました。さて、どうしたものか。

この売主さんは不動産会社さんで、私が購入する土地以外にも、この辺りに土地を保有しており、権利書がそれらと同一になっている(まとめて書かれている)という事の様です。

つまり、その他の土地まで含まれる権利書を私に渡したら危険だと

おっしゃっておられるのですね。

・・・まあ、私、ワルですからね(ウソ)

この記事の最後に「自分で登記するために必要な書類」というものを簡単にまとめておきました。その中の「売主さんに用意してもらう書類」として「土地の権利書」があるのです。

でも、これを渡せないという事なので困りました。ただここで簡単に「はい。わかりました。」では芸がないので、

色々と調べて食い下がります。

以下、私がQさんのメールを受けての返信です。ちょっと長いので斜めに読んでください。

  登記についてですが、
権利証に他土地も入っているという事ですね。

そのような場合、
「有資格者による本人確認情報書類添付」という方法でなくとも

「売主様(あるいは売主様の代理人司法書士様)、買主での共同申請」
という形で対応出来るはずです。
所有権移転登記は共同申請(不動産登記法 第60条)
『権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、
登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない』なので、
一緒に申請し、別々に受領することが可能です。

売主様と買主(私)とで2人で申請し、登記が完了すると登記済み証書を
別々に受け取ることが可能なはずです。

このやり方ですと、売主様は、買主(私)に権利書を預けたり、
取られたりする心配はありません。

受領時には、購入した土地の権利書である『登記識別情報』は
買主に渡ります。
『売主様の権利書』は、売主様に戻ります。

具体的には、18日に決済後、
そのまま管轄法務局に売主様と私とで参り、
それぞれの持参書類を法務局の窓口でまとめて提出し、
申請完了となります。

そうすれば売主様は印鑑証明も権利証も私に預けなくて済むので
安心かと存じます。

もちろん、売主様が一緒に行かれるのが難しいという場合は
代理の司法書士様を売主様の方でたてて頂いても大丈夫かと存じます。

今回、契約までの日程が非常に長く時間に余裕があったので
私の方で既に登記申請書等の素案も全て作成済みです。

明日、水曜日には法務局に参り、
作成した書類で問題なく登記できるかを
相談すべく既にアポも取ってある状態でした。

上記方法にて登記可能かを明日法務局で実際に相談して参ります。
その結果、司法書士さんに頼んだ方がよいという事になれば、
もちろんそうさせて頂きますのでご安心下さい。

ただ、問題なく登記出来ると法務局さんが仰るのであれば、
今回の売買の登記に関しまして、買主側は本人申請とさせて下さい。

売主様には遠方よりご足労頂き誠にありがとうございますと
お伝え下さい。

Q様におかれましてはご多忙の中、
契約書の作成、交渉して頂き感謝申し上げます。
引き続きよろしくお願い申し上げます。

からまつ

このクソ長いメールで何が言いたかったかと言うと

「権利書私に渡すのが心配だったら、一緒に法務局いこうよ♪」

という事が言いたかったのです。で、私(買い手)と売主さんがそれぞれの持参した書類をせいので提出すればよいではないかと。

すると、一週間ほどで、私には取得した土地の権利書(今は登記識別情報といいます)が、

売主さんには、元の権利書から、私が取得した情報を削除した新しい権利書が、

それぞれに郵送されるわけです。

めでたしめでたしです。

さらに私は暇人、いえお時間持ちなので、実際に現地法務局に「本人申請(自分で登記すること)」の相談のアポも取ってありました。

あ、お時間持ちの話はこちらの記事で、

タイニーハウスを完成させて、田舎に移住したとして、私の一番の心配は、 仕事です。現在も自営業なので、継続して続けることは出来ますが、 他にも一つ二つ、収入の柱が必要だと...

明日法務局に行くことを伝え、本気度をアピールします。

何故なら、「52,920円」が惜しいからです。

一度現地に行く経費など数千円です。そして暇人ゆえに明日は仕事なし。

なので、意地汚く、本気で「52,920円」を獲りにいきます。

ただし、強く押すのはここまでです。それでもだめだと言われた場合は、司法書士さんにお金を払う事とします。第一の目的は、「この土地を手に入れること」です。

対するQさんの返信は、

登記申請の件については再度ご意向を先方にお伝え致します。

でした。正直Qさんは、「おいおい、こいつめんどうくせえな~。」

と100パーセントおもったと思います。

本当にお忙しい中、申し訳ないですが、面倒くさい野郎にもう少々付きあって頂けると有難いです。

そして、ほどなくQさんからメールが入りました。

○○様にお伝えして社内で協議して頂いたところ、先程
(16時過ぎに)回答が来ました。
結論としましては、○○様としては司法書士に両者から委任した

通常の所有権移転手続き以外は
お受けすることが出来ないとのことです。

理由としては、以下の内容を伺いました。

1.代表者印の持ち出しが出来ないため。
2.代表者本人が来れないため。
3.○○からの日帰り出張であり時間が充分にとれないため。
4.今までに会社としてご意向のような共同申請の手続きを取った事例がないため。

当方としては、登記義務者(売主)が共同申請をお受け出来ない状況で、通常の手続きにてお願いするほかない状況ですが…。
通常の移転手続きでお願い出来ませんでしょうか?

無念。ここまでか

仕方がない。ここらが引き時かな・・・。

「明日の朝にでも、司法書士了解でメールしようかな。ついでに法務局のアポ取り消さなければ。」

と思いながら晩御飯を食べていると、

Qさんから電話がなりました。

Qさんの男気に涙

Qさん「あれから、うちの社長と相談したんですが、うちとしては、からまつさんと、

○○さん、相方に気持ち良くお取引をして頂きたいので、今回の司法書士代金の

52,920円、うちが持ちます。

Qさんと社長さんの男気に涙が出そうです。自分達のもうけを減らしてまで・・・。あんたらプロやな~。

こうなっては私も黙っておれません。

私「そんな事をしたら○○不動産さんの利益が減ってしまう。

分かりました!私も自腹切って、端数は持ちます!

Qさん「はっ?端数ですか・・・。」

私「はい!端数です!!!」

有難い。Qさんと社長さんに感謝

その様な次第で、2920円程、私も志をみせたわけであります。

非常にせこい。ただただ、Qさんと社長さんに感謝です。

この5万円があれば、タイニーハウスの柱を5分ほど太く出来るかもしれない。

あるいは、床を杉板からひのきに変更出来るかもしれない。

どんな使い方をするにせよ、無駄には致しません。

かっちょ良く「ここは僕が持ちます!」と言いたい所ですが、

歯を食いしばって、Qさんと社長さんのご厚意に甘えたいと思います。

感謝。

ちなみに、登記を担当して頂いた司法書士さんも、物腰が柔らかく丁寧な対応をして下さる方で、「やっぱ、プロに頼むってのもいいもんだな。」などと現金にも思ったからまつでありました。

いつか私が巨万の富を得たら、こういうプロフェッショナルな方々に周りを固めて頂こう。ただ、それはやはり、日給10万円を超えてからです。

もしもその日が来ない場合には・・・「生涯自作、D.I.Y.」を貫く所存です。

おまけ(自分で登記する際に用意する書類)

売主さんに用意してもらうもの

登記済証または登記識別情報

これは、一昔前によくドラマとかで登場した土地の「権利書」の事です。
現在はB5サイズくらいのぺラッとしたやつで、そこにコード番号が書いてあり、
見えないように上からシールされています。

売主さんの印鑑証明(発行から3か月以内)
固定資産税の評価証明書
売主さんの実印を押した委任状

売主、買主双方が法務局に行って共同申請する場合は必要がない事もあります。

買主が一人で申請に行く場合には必要です。この委任状への判子は、買主の方は

認印で大丈夫です。

買主が用意するもの

登記原因証明情報

売買契約書の事を指す。ただし、契約書の原本を提出してしまうのはよろしくない(手元で保管するようにしたい)ので、通常は売買の事実関係を示した1枚の書類を作成する。

不動産屋が作成した売買契約書には当然売買金額などの個人情報も入っています。
登記原因証明情報には土地の取引金額は記載する必要がありません。最低限必要な情報だけを記載した方がなんとなく、精神衛生上良い気がします。

住民票(発行から3か月以内)

委任状への判子は、売主さんは実印で、買主さんは認印で大丈夫です。

当日、書類の訂正ができるように、万一に備え、売主さんには実印を

持って来てもらいましょう。

さて、本日もタイニーハウスの土地探しの話のつづきです。 前回の話はこちら 所有権移転登記の問題も片付き、あとはいよいよ、契約と決済を残すのみです。 しかし、油...
お話は次回へつづきます。

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コメント

  1. ゆずた より:

    こんにちは。楽しく拝見させてもらってます。
    私も古い別荘地などを中心に土地を探している
    自称(貧乏)ミュージシャンです。
    「端数」のところで笑ってしまいました。
    その気持ちわかりますw

  2. karamatsu より:

    ゆずたさんこんにちは!どうもありがとうございます。
    僕も昔、自称ミュージシャン(もちろん貧乏)として、生き抜くために
    あらゆる手段を・・・(笑)思えばもっと早く、あの頃に土地を
    手に入れておけば良かったなと思います。
    「端数」は恥ずかしかったけど、やはりそこは歯をくいしばって言いました(笑)
    ぜひ良い(そして安い)土地を見つけて、今後の活動&さらなるご活躍を!